DeepSeek V4 Flash Vision:画像1枚は最大384トークン

DeepSeek が V4 Flash の画像対応版を出しました。料金はテキスト版と1セルも違わず、画像は1枚384トークンが上限。実測では 800×800 も 3000×3000 も348トークンでした。

DeepSeek V4 Flash Vision:画像1枚は最大384トークン

DeepSeek が V4 Flash の画像対応版を出しました。値段はテキスト版とまったく同じです。 モデル ID は deepseek-v4-flash-vision-exp、ofox では deepseek/deepseek-v4-flash-vision-exp で呼べます。

同じ 1M コンテキスト、同じ 384K の出力上限、同じ2500の同時実行数、料金表のどの行も同額。面白い問いは、画像がトークンに変換されたあと実際いくらになるかで、その答えには固い上限があります。

モデル:     deepseek/deepseek-v4-flash-vision-exp
料金:       ピーク時 100万あたり $0.44 入力 / $1.32 出力
            オフピーク $0.22 / $0.66(ピークは 01:00-04:00 と 06:00-10:00 UTC)
キャッシュ: ヒット時 ピーク $0.014 / オフピーク $0.007(100万あたり)
コンテキスト: 入力 1M / 出力 384K
画像:       1枚あたり最大384トークン、1リクエスト600枚まで
Thinking:   既定でオン・effort は high、thinking.type で無効化
実測:       800×800 と 3000×3000 はどちらも348入力トークン
計測日:     2026-08-21、各構成5回

最終更新 2026-08-21。モデル ID に -exp が付くので提供状況は実験的なものとして扱い、依存関係を組む前に再確認してください。

DeepSeek V4 Flash Vision Exp とは

画像を受け取れる V4 Flash で、価格は据え置き。 DeepSeek の料金ページは3つのモデルを横並びで載せていて、画像対応版の列は flash の列とセル単位で一致します。

deepseek-v4-flashdeepseek-v4-flash-vision-expdeepseek-v4-pro
入力・キャッシュミス(ピーク)$0.44$0.44$1.32
入力・キャッシュヒット(ピーク)$0.014$0.014$0.044
出力(ピーク)$1.32$1.32$3.96
コンテキスト1M1M1M
最大出力384K384K384K
同時実行数25002500500

オフピーク料金は全項目でピークの半額です。ピークは 01:00 から 04:00 と 06:00 から 10:00 UTC、3時間足す4時間で、残りの17時間は低いほうの単価で回せます。このピーク・オフピーク制が入ったときにそれが実際の請求額をどう変えるかを書きました。

ひとつだけ後退している箇所があります。機能表の FIM 補完は V4 Flash と V4 Pro が「非思考モードのみ対応」なのに対し、画像対応版は 「非対応」。それ以外は JSON 出力、ツール呼び出し、Responses API、Anthropic 形式 API、チャット接頭辞補完まですべてチェックが入っています。

画像1枚のコストはいくらか

800×800 の画像で348トークン、3000×3000 でも同じ348トークン。

すべての画像は推論の前にリサイズされます。合計ピクセル数がおよそ 384×384 を下回る画像は拡大され、それより大きい画像は縮小され、どちらもアスペクト比は保たれたまま、合計ピクセル数が 800×800 相当に寄せられます。文書化されている帰結が 1枚あたり384トークンという上限で、2000×2000 の写真と 5000×5000 の写真が同じ請求になるのはこのためです。

2026-08-21 に ofox 経路で単色のテスト画像を送り、同じプロンプトのテキストのみ91トークンをベースラインとして差し引きました。

画像prompt_tokens画像トークンピーク時の入力コスト
なし(テキストのみ)910
200×200207116$0.000051
800×800439348$0.000153
3000×3000439348$0.000153
6000×3000395304$0.000134

この表から2つ読み取れます。800×800 と 3000×3000 の行が同一なのは、リサイズ規則がドキュメント通りに効いているということ。そして 6000×3000 の行は正方形の画像より安い。2:1 の画像を同じ合計ピクセル予算に押し込むと、正方形より少ないパッチに分割されるからです。

100万入力トークンあたり $0.44 なので、画像1000枚でピーク時およそ 15セント、オフピークはその半額。このモデルで画像入力はコスト計算に載せるほどの項目ではありません。載せるべきなのは次の節です。

thinking モードは請求額を変えるか

モデルが画像を見る前に、入力トークンを80個余計に取ります。 thinking は既定でオン、effort の既定値は high です。同じ画像と同じプロンプトで、構成ごとに5回ずつ実行しました。

prompt_tokenscompletion 中央値reasoning 中央値所要時間中央値
既定(thinking オン)439114(68–425)911.9 秒
thinking: {"type": "disabled"}35919(18–20)01.0 秒

10回の呼び出しで prompt_tokens は一度も揺れませんでした。オンなら439、オフなら359、毎回そうです。この80トークンの差は thinking が有効なときに API が差し込むテンプレートで、モデルが実際に推論したかどうかに関係なく入力単価で請求されます。

出力側の差はもっと大きく、もっと読めません。thinking がオンのとき、「この画像を1文で説明して」という同一の呼び出し5回で completion は68から425トークンまで振れました。オフにすると同じ5回が18から20トークンに収まります。この種のタスクで推論が買っているのは精度ではなく分散です。

ピーク単価で合計します。thinking オン、入力439に出力114で1回あたり約 $0.000343。オフなら359足す19で約 $0.000183。目に見える答えはどちらも同じなのに、請求はほぼ半分になります。

切り方はどちらでも構いません。

{"thinking": {"type": "disabled"}}
{"reasoning_effort": "none"}

この経路ではどちらも効き、しかも usage の reasoning_tokens フィールドが小さくなるのではなく消えます。thinking は残したいが安くしたいなら、まず公式の effort マッピングを読んでください。DeepSeek は low を low、max を max に対応させる一方、mediumhighxhigh はすべて high に丸めます。送りうる5つの値のうち3つが同じ設定というわけで、これは GLM 5.3 が未文書の effort 値で仕掛けてくる罠と同じ構図です。

画像はどう送るか

標準的な OpenAI 互換の content ブロックです。 送り方は3つ、インライン base64、外部 URL、Files API の file_id

import base64
from openai import OpenAI

client = OpenAI(api_key="sk-...", base_url="https://api.ofox.io/v1")

with open("chart.png", "rb") as f:
    b64 = base64.b64encode(f.read()).decode()

r = client.chat.completions.create(
    model="deepseek/deepseek-v4-flash-vision-exp",
    messages=[{"role": "user", "content": [
        {"type": "text", "text": "What is the trend in this chart?"},
        {"type": "image_url", "image_url": {"url": f"data:image/png;base64,{b64}"}},
    ]}],
    extra_body={"thinking": {"type": "disabled"}},
)
print(r.usage)

DeepSeek を直接叩く場合、base URL は https://api.deepseek.com になり、モデル文字列から deepseek/ が取れます。Anthropic 形式のエンドポイントは https://api.deepseek.com/anthropic、Responses API では画像は input_image パートとして渡します。

劣化せずに HTTP 400 を返す制限が2つ。画像は user メッセージにしか置けないこと、そして画像を受け取るのは画像対応モデルだけということ。deepseek-v4-flash に画像を送ると “This model does not support image” が返ります。

制限一覧

制限
フォーマットJPEG、PNG、GIF、WebP(ファイル名ではなく内容から判定)
1リクエストの画像数600
リクエストボディ48 MiB
1枚・base64 または URL32 MiB
1枚・Files API file_id64 MiB
1リクエストの画像合計file_id なしで 64 MiB、含む場合は最大 200 MiB
辺の最大1辺 8192 px、15枚以上を含むリクエストでは 4096 px
外部 URL の長さ8192 文字

本番で刺さるのは辺の規則です。6000 px のスクリーンショットを14枚送るバッチは通り、15枚目がリクエスト全体の上限を黙って書き換えます。

V4 Flash から乗り換えるべきか

画像を送るなら乗り換えてよい、乗り換えのコストがゼロだからです。 単価は同じ、コンテキストと出力の上限も同じ、同時実行数も同じ。失うのは FIM 補完だけで、これはインラインのコード補完以外には効きません。

ワークロード判断
スクリーンショットと文書の大量 OCR乗り換え。1ページ384トークンはなかなか破れない
チャートや図の読み取り乗り換え。ただし多段の読み取りでは thinking は残す
テキストのみの対話・分類どちらでもよい、価格が同じ
FIM によるインラインコード補完deepseek-v4-flash に留まる、こちらに FIM はない
画像を扱う長時間の agent先にテスト。-exp は安定性の約束ではない

各社のマルチモーダルエンドポイントが何をどこまでできるかは、マルチモーダル API ガイドで視覚と音声をまとめて扱っています。同じモデルのテキスト側のタスク単価は V4 Flash と Gemini 3.6 Flash の比較にあります。

References

よくある質問

DeepSeek V4 Flash Vision Exp とは何ですか?
DeepSeek V4 Flash の画像対応版で、モデル ID は deepseek-v4-flash-vision-exp です。user メッセージの中でテキストと一緒に画像を受け取り、課金はテキスト専用の V4 Flash と同一です。ピーク時で100万入力トークンあたり $0.44、出力 $1.32、オフピークはその半額。コンテキスト 1M・最大出力 384K も V4 Flash と同じです。
画像1枚のコストはいくらですか?
ごくわずかです。画像は推論前に合計ピクセル数が 800×800 相当になるようリサイズされるため、1枚あたりの入力トークンは384で頭打ちになります。同じ経路で実測したところ 800×800 も 3000×3000 も348トークンで、ピーク時の入力単価では1枚あたり約 $0.000153、オフピークはその半額でした。この数字を動かすのは解像度ではなくプロンプトの長さです。
画像対応版は V4 Flash より高いですか?
高くありません。DeepSeek の料金ページでは deepseek-v4-flash と deepseek-v4-flash-vision-exp の数字がすべての行で一致します。キャッシュヒット、キャッシュミス、出力、いずれもピーク・オフピーク両方で同額で、同時実行数の上限も同じ2500です。画像入力が足されただけで価格表は据え置きです。
画像対応版は thinking モードに対応していますか?
対応していて、しかも既定でオン、effort の既定値は high です。thinking の type を disabled にするか、reasoning_effort に none を渡せば切れます。実測では切ったときに completion の中央値が114トークンから19トークンへ、1回あたりの所要時間の中央値が1.9秒から1.0秒へ下がりました。
1リクエストに画像は何枚まで載せられますか?
600枚です。他の上限はリクエストボディ 48 MiB、base64 または外部 URL で送る1枚が 32 MiB、Files API の file_id 経由なら1枚 64 MiB、file_id を使わない場合の画像合計が 64 MiB。辺の最大は 8192 ピクセルですが、1リクエストに15枚以上の画像が含まれると 4096 ピクセルまで下がります。
対応している画像フォーマットは?
JPEG・PNG・GIF・WebP です。フォーマットはファイル名や宣言された MIME タイプではなく実際のファイル内容から判定されるので、拡張子が間違っていても呼び出しは壊れません。画像は user メッセージにしか置けず、system や assistant に入れると HTTP 400 が返ります。
V4 Flash と比べて失うものはありますか?
機能表の1行だけです。FIM 補完は V4 Flash では「非思考モードのみ対応」ですが、画像対応版では「非対応」と記載されています。JSON 出力・ツール呼び出し・Responses API・Anthropic 形式 API・チャット接頭辞補完はすべてそのまま使えます。